オフィスアワー

Posted on 2016-09-29
松下ゼミを志望される方へのメッセージ (2016年版)


様々なゼミがあります。どうやってゼミを選んだらよいか迷われていることと思います。松下ゼミを検討されている方に向けて、私の指導の方針を説明したいと思います。

高校野球を例に挙げましょう。日本全国の高校に野球部がありますが、その意識は様々です。甲子園で優勝争いをすることが当たり前のチームもあれば、甲子園に出ることが目標のチーム、 あるいは、最初から甲子園などは考えず楽しく野球することが存在理由のチームさえあります。 もし、「楽しく学生生活を過ごし、ちょっと野球で体を動かしたい」という人にすれば、優勝争い常連校の野球部は、毎日つらい練習ばかりでなかなかレギュラーにもなれず楽しくないでしょう。一方で、甲子園で優勝し、 プロで活躍したい、さらにはメジャーリーグを目指したいと思っている人からすれば、その環境こそが 最高の環境で、甲子園などまったく考えていないような野球部は物足りないと考えるはずです。 ゼミも同じです。私達のゼミは、「甲子園で優勝すること」を目標にしているチームに相当します。質の高い研究を行い、その成果を 学会で発表して世に問うこと、これが私達のゼミの目指すところです。10年後に花開く技術の種を創出するために、東大や京大を始めとする国立大学と互角に競えるような研究を行うこと、そしてそれを行える学生を育てることが、私のミッションです。

もちろん、つらい練習をすれば必ず甲子園に行けるわけではありません。そこには、確固たるビジョン と指導方針が必要になりますし、「勝ち方」を知っている必要があります。私は、研究の世界ではプロ野球Aクラスに該当するNTTの研究所で13年研究開発と後進指導に携わって来ました。そして、関大に来てから8年かけて、甲子園で十分活躍できるレベルのチームづくりを行って来ました。練習について来てくれたら、 それだけの成果が挙げられるように皆さんを成長させられると考えています。

松下ゼミは研究をしたい人、つまり「甲子園で高いレベルのプレーをしたい」という熱意を持つ学生にとっては 「パラダイス」です。そうでない人には、「忙しくてしんどい」ゼミに過ぎません。 単に「面白いものを作りたい」という気持ちだけでは、いずれ嫌気がさしてくると思います。「学術的に価値があることをしたい」「自らをトップレベルまで高めたい」という気持ちがなければ、松下ゼミを選ばなくても他に良いゼミはいくつもあると思います。「大学院進学は絶対にしたくない、4年で絶対に就職する」と決めつけて考えて いる人は、わざわざしんどい思いをするゼミを選ばなくても、楽に卒業できるゼミはあるはずですので,そちらをご検討されてはいかがかと思います。

ではどんな人が松下ゼミに向いている人でしょうか。実はすごくシンプルで「努力を惜しまない人」です。 理系も文系も関係ありません。ましてやプログラムの得意、不得意などは全く考慮する点では有りません。 学会に参加したり、休みの日にハッカソンを行ったり、あるいは夏休み期間にコンテスト応募作品を作ったり。 これらは強制ではありませんが、こういったイベントを楽しいと思い、自ら参加したいと考える人こそが 松下ゼミの求める人材です。その努力はいずれきちんと実を結びます。そうした意識を共有できる人に ゼミに参加して欲しいと思います。

松下ゼミの目指す育成像は、就職して10年後に、その企業の主軸を担える人材を創出することです。就職した企業では「仕事に関わる知識」は教えてくれますが、「論理的思考の方法論」は教えてくれません。大学は これを学ぶことができる最後の教育機関です。そして、これこそが、僕が大学院進学を進める理由でもあります。 端的に言えば、「海外の学会に論文を投稿し、英語で発表をする」という経験を積ませることが、僕の 教育の根幹です。海外の学会で発表するには、論理的整合性を持った新規性のある内容を投稿し、採録される 必要があります。そして、これを海外の人に分かるようにプレゼンをする能力が求められます。しっかりと 先行研究の調査をし、差分や主張点を明確にすること。そしてそれを他人に納得してもらうように話すこと。 この能力を持たせ、経験を積ませることが、僕の指導の骨子です。学部生では、時間的に間に合いません。

日本は資源に乏しい国です。海外から輸入しなくてはなにも成立しません。けれどそれだけでは輸入超過と なり、債務だけが増えていきます。ではどうやって外貨を獲得するか。日本は、「智」を輸出してそれを 得ています。電化製品や車は、原材料を輸入して、製品という付加価値へと変換して海外に売ることで、 バランスをとっています。魅力的な製品をつくり上げること、これは皆さんの「智」にほかなりません。 だからこそ、一人ひとりの「智」を高めることが必要なのです。

最後になりますが、ゼミ選びは皆さんのこの先の人生に大きな影響を与える一大イベントです。自らの眼で見てよく考え、各々に最も適したゼミを見つけてください.

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